アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
勿体ないなんて考えで、ジェラートの食べ頃を逃すのは愚か者のすること。
私はいただきますと手を合わせて、皿と同様に冷やされたスプーンを手に取った。そしてまずはひとすくい。どうやら薔薇は完全にペーストしてあるらしく、見た目はストロベリーのジェラートと似ている。
では味のほうはどうだろうか。
舌の上へと運んだ。するとそれは口内の熱と交わってふわっと溶けてしまう。けれど存在が完全になくなった訳ではない。むしろ逆だ。溶けたおかげで薔薇の香りは鼻を抜け、ベースとなっているのだろうミルクはそれを包み込むようにサポート役に徹している。
お皿の上にちょこんと乗った薔薇が口の中でこんなにも美しく咲き誇るなんて!
「幸せ……」
まるで薔薇の庭園にでも迷い込んだかのような感覚についうっとりとしてしまう。
ほうっと息を吐いてそう呟けば「それは良かった」と優しい声が振ってくるのだった。
19.
翌朝から私は再び『お城担当』もとい『お二人のお話相手』として、ディートリッヒ様と共にお城へと向かうこととなった。
私はいただきますと手を合わせて、皿と同様に冷やされたスプーンを手に取った。そしてまずはひとすくい。どうやら薔薇は完全にペーストしてあるらしく、見た目はストロベリーのジェラートと似ている。
では味のほうはどうだろうか。
舌の上へと運んだ。するとそれは口内の熱と交わってふわっと溶けてしまう。けれど存在が完全になくなった訳ではない。むしろ逆だ。溶けたおかげで薔薇の香りは鼻を抜け、ベースとなっているのだろうミルクはそれを包み込むようにサポート役に徹している。
お皿の上にちょこんと乗った薔薇が口の中でこんなにも美しく咲き誇るなんて!
「幸せ……」
まるで薔薇の庭園にでも迷い込んだかのような感覚についうっとりとしてしまう。
ほうっと息を吐いてそう呟けば「それは良かった」と優しい声が振ってくるのだった。
19.
翌朝から私は再び『お城担当』もとい『お二人のお話相手』として、ディートリッヒ様と共にお城へと向かうこととなった。