アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 けれどウェディングドレスについて考える事自体は別に悪いことではないはずだ。
 確かに彼らの婚姻はもう少し先の話ではあるが、それだけ仲がよろしいということだ。

 ――ということは、おそらくディートリッヒ様が気にしているのは別のこと。
 おそらく『この時間』にウェディングドレスのデザインを吟味していたことに問題があるのだろう。

 二人には他になすべきことがあったのだろうか。

 なら私ってなぜ今日も呼ばれたのだろう?
 お話役、のはずよね?
 お二人にすべきことがあったのなら私って不要だったんじゃ……。

 頭の中でいくつものクエスチョンマークを浮かべながら、一歩前に踏み出したマリー様の背中を眺める。

「ディートリッヒ様。ただのドレスのデザインなどが一緒にされるなんて、心外ですわ!」
「心外、ですか?」
「ええ。これはただのドレスデザインじゃないわ! ウェディングドレスのデザインよ! 生涯たった一日しか着るチャンスしかないドレスを、その他多数と一緒にするなんて……紳士失格だわ!」
 熱くウェディングドレスを語るマリー様とうんうんと頷くシンドラー王子。
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