アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 話題はやはりあのデザインの話だ。
 けれど今回の言い方には少しだけ違和感を覚える。

 ディートリッヒ様は昼間、二人に『広げないように』と注意をしていた。
 けれど今は『見せられなかった』かどうかを心配されている。

 もしかしてあそこまで怒っていたのは、結婚適齢期を過ぎても未婚で、かつ婚約者どころか恋人もいない、枯れ果てた私の心配をしてくれたのだろうか。

 優しさというか、哀れみという意味で。

 そうよね。
 ディートリッヒ様から見れば私も、田舎からわざわざ結婚相手を探しにきた令嬢とさして変わらないのだろう。

 いくらシスコンを拗らせてやってきたという背景を知っているにしても、恋人が一人くらい居てもいいのでは? なんて思われている可能性もなきにしもあらず……。

 こんなんだから王子にいい人いないのか~なんて言われちゃうのかな。
 年が近いからこそ、余計に哀れに見えたのかもしれない。
 けれど人のウェディングドレスを見せられてへこむようなメンタルは持ち合わせていないのだ。
 そんなものがあったらお姉様のためとはいえ、休日にウェディングドレスを見て回っていない。

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