アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 その後、部屋に向かってお財布を確保。屋敷を出て、少し離れたところからダッシュだ。買い物を終えたら近くの食堂兼酒場で適当に食事を済ませることにして……。
 脳内で何度もルートを確認しながら、私はゆらゆらと馬車に揺られた。


 そして屋敷に着いた私はそれを実行に移そうとして――ディートリッヒ様に見つかってしまった。
 お財布を確保するところまでは上手くいったのだが、夜遅くに抜け出そうとする私を「危ない」という理由で阻止しようとするのだ。


「明日以降は王子達も忙しくなる。だからアイヴィーには明日は休みを与えるつもりだ。用事があるなら明日にしたらどうだ? わざわざこんな時間に出る必要はないだろう」

 明日から忙しくなるのか。

「え、お休みなら昨日いただきましたよ?」
「それは一昨日の休みを邪魔した迷惑料代わりだ。だから明日は気にせず休みなさい」
「かしこまりました」

 明日一日あればしっかりと選べるし、オーダーメイドの採寸だって出来る。余った時間で新ジャンルのスイーツに手を出してみるのもいいかもしれない。
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