アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
なぜならあのころからは想像できないほどに立派に成長したシンドラー王子は、昇級したばかりの私に転職先を紹介しようとしているのだから。
シンドラー王子に悪気がないのはわかっている。むしろ善意しかないのも。
けれど私の気は落ち込む一方だ。せっかくいろんな仕事に慣れて、いろんな人とも仲良くなれたのだ。
それに……好きな人だっている。
叶うことのない恋だとわかっているし、当たって砕けろ方式すらも使えない相手ではある。むしろ嫌われている可能性だって十分あり得る。今までだって業務的な会話以上のことはほとんどしてこなかったのだ。
それでも、私にとっての幸せな時間だった。
その機会がなくなってしまうのかと思うと寂しいものである。
もちろん王子とこんな軽口を話せなくなるのも。
「…………………………………………おい、アイヴィー聞いているのか?」
「ええ、聞いていますよ。新しい職場のことでしょう?」
シンドラー王子に悪気がないのはわかっている。むしろ善意しかないのも。
けれど私の気は落ち込む一方だ。せっかくいろんな仕事に慣れて、いろんな人とも仲良くなれたのだ。
それに……好きな人だっている。
叶うことのない恋だとわかっているし、当たって砕けろ方式すらも使えない相手ではある。むしろ嫌われている可能性だって十分あり得る。今までだって業務的な会話以上のことはほとんどしてこなかったのだ。
それでも、私にとっての幸せな時間だった。
その機会がなくなってしまうのかと思うと寂しいものである。
もちろん王子とこんな軽口を話せなくなるのも。
「…………………………………………おい、アイヴィー聞いているのか?」
「ええ、聞いていますよ。新しい職場のことでしょう?」