アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 それでも私にとって一番の願いはそれなのだ。
 だがついでだから二番目の願いも伝えるだけ伝えてみようか。

『シンドラー王子とマリー様にプリンを差し入れる機会がありますように』

 わがままな私の願いが叶うかはわからない。
 けれど目を開いたその時、ステンドグラスの天使様とばっちりと目があったように思えた。だから目があった彼にお願いしますね! と口だけ動かして念押しする。

 幻想的な空間には別れを告げ、緩やかに押し寄せるカップルの波をよけるようにして進む。出口を跨げば、再び燦々とお日様が照らす王都のお出ましだ。ついさっきまで歩いてきた道がやけに眩しく見えてしまう。

 けれどきっと天使様が願いをかなえてくれるだろう、私の未来もこの道と同じくらい明るいはずだ。そう信じて王都の道へと繰り出すのだった。


24.
 夜会まで後一週間を切ったからか、その日から再びディートリッヒ様の帰りが遅い日々が続いた。帰ってこられない日さえあるほどだ。

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