アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 元々持っていた服と合わせると、少しだけ衣装持ちになったように思う。フランカ曰く、元が少なすぎるとのことだけど、外出時に気にならない程度持っていれば十分なのだ。

 お気に入りの色違いを身にまとい、私は今日も王都に繰り出す。
 お目当ては近頃平民から貴族と幅広い女性陣を虜にしている精油店。
 香油を売っているらしいのだが、その種類がゆうに100を越えるのだという。その上、季節が巡れば種類が増えるというのだから驚きの品ぞろえだ。
 しかもこの店、これだけではない。なんとオーダーメイドで好きな香りを作ってくれるのだという。作って欲しい香りの元となるものを持ち込めば完璧に再現してくれるのだそう。もしも実物がなくともイメージを伝えればそれに近いものを作ってくれるのだから驚きだ。花などの植物はリクエストの際、実物がなくとも作ってくれるらしい。注文を受けたその品を店主が売れそうだと見込めば店に並ぶこともあるらしい。

 そんな店に足を運ぶ理由、それは単純にお姉様とジャックに贈るためである。
 手紙でのやりとりで、最近精油店が流行っていると書いたところ、珍しく強く食いついたのだ。

< 139 / 241 >

この作品をシェア

pagetop