アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
「……それって遠回しに年なんだからって言ってる?」
「言ってる!」
「そこは嘘でも違うって言いなさいよ!」
「ごめんね。正直で」

 その言葉に今度は私が頬を膨らます番だ。
 セルロトだって2歳しか変わらないくせに、恋人がいるからって余裕かましてくるなんてヒドいわ!
 まぁそれだけ順風満帆な生活を送っているということだろうし、彼も彼で私の心配をしてくれているということだろう。

「だからこれあげる。仕事中はつけられないと思うけどさ、こんな休日くらいオシャレしなよ」
 セルロトは私の手を持ち上げると、開いた手のひらにちょこんと小瓶を2つ乗せる。これは香油? 何の香りだろう? 乗せられた小瓶に顔を近づかせ、まじまじと見ていると上から「アイビー」と声が降る。

「え?」
「アイビーの香り。一つはお姉さんにあげていいから、もう一つはアイヴィーが使って」
「え、いいの?」
「アイヴィーのために作ったものだからもらってくれないと困るよ」
「私の、ため?」
「まぁ半分は僕とフランカのためだけどね。自分たちだけ幸せになって友人を置いていくなんてヒドい真似は出来ないからさ」

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