アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 ディートリッヒ様にバレたら、今までのことは咎められ、今後王子はあのプリンを食べる機会を失うことになるだろう。

 そんなトップシークレットな情報をディートリッヒ様の執事である、ベルモットさんにこぼすなんて危険が過ぎる。危ない危ないと口を塞ぐ。

 そんな私にベルモットさんははて? と首を傾げる。
 そうよね。怪しいわよね。何とかして『王子のプ』に続く『リン』以外の言葉を考えなければ……。

 働け、私の頭!
 こんな時に語彙力の低さに頭を抱えることとなるとは……。
 シンドラー王子としりとりをした日々を思い出すんだ。

 プラネットじゃおかしいし、プランターも変だ。プリンスも王子と被るし、プリンセスに至ってはなんじゃそれ? と首を傾げてしまう。

 なぜ過去の私は王子をぷ責めにしなかったんだ!
 思い出しても繰り返されたしりとりの中に『ぷ』を持つものは少なかったように思えて仕方がない。
 けれどベルモットさんは私が思い出せなかった『ぷ』を容易に浮かべてみせる。

「プレゼントですか?」
「そうです。プレゼント!」

 その自然な繋がりに全力で乗っかってみせる。
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