アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 私のせいでディートリッヒ様のセンスを疑われることとなったら――。
 ディートリッヒ様はもちろん、ベルモットさんを筆頭としたアッシュ家の使用人さん達。そして何よりディートリッヒ様のご家族に顔向けが出来ない!

 だが朝の時点で知っていたら断れたかと言えば、そんなことはない。ご指名を受けた時点で私が悩むことは確定していたのだ。

 これは暢気にプリンを楽しみにしている場合ではない。

「プレゼントって何をもらったら嬉しいんでしょうね……」
 おそらく引き攣っているだろう顔で、ベルモットさんに尋ねれば「人それぞれかと」という何とも的をいた答えを返されてしまうだった。

 そうだけど!
 まさにその通りだけれど、私が欲しかった答えではない。

 だけど分からないからこそ、私に相談役が回ってきたのだろう。
 シンドラー王子、今年から欲しい物リストとか配布してくれないかしら?
 全体配布ではなく、こっそりとでもいい。

 私に未来を見る力があれば、今年の誕生日に欲しい物を聞く権利とか頼めたのに!
 パウンドケーキをまるまる頬張りたいとか言った過去の自分を殴りたい気分だ。
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