アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 もちろん過去の私も全力で応戦してくるだろうが、来年にしておけ! とKOさせた後で説得することくらいは出来るだろう。
 だがそんなことを願ったことで過去の私に未来を見る力なんてものはなく、今の私に過去に戻る力もない。

 何とも無力だ。

 今の私に出来ることといえば、シンドラー王子が欲しい物をディートリッヒ様に伝えていてくれるようにと願うこと。
 色形くらいだったら私も助言出来るし。

 今ならこの願いをかなえてくれた暁には、作り方メモ、見本にプリン。その上、セルロトの店のマリーゴールドの香油までプレゼントしたいくらいだ………………ってそうか! マリーゴールドの香油!

 お店に並んでいなくてもオーダーメイドで作ってもらえばいいのだ。
 ディートリッヒ様が渡すには少しばかりお安いものではあるが、あのセルロトの店の物だと言えば安心して贈ることが出来るだろう。
 これに合わせて他の物を渡すにしても、一つでもお手伝い出来るのと全く役に立たないとでは天と地の差だ。

 店に行く機会をくれてありがとう、お姉様。
 お店を開いてくれてありがとう、セルロト。

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