アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 助言を求められた際には案内することにしよう。
 求められなかったら私からのプレゼントとしても贈れるし、どう転んでも最高である。

 私の幸せを祈ってくれたセルロトとフランカだったが、その幸せは意外なところで発揮されたのだった。


26.
 翌朝、ディートリッヒ様と一緒に馬車に乗り込む。

「今日はシンドラー王子のお誕生日プレゼントを一緒に選んで欲しい」
「かしこまりました」
 そこで初めてディートリッヒ様の口から今日の目的を聞いた。初めにそれを言って欲しかったと思うのはメイド失格だろうか。

 恋心を抱いていた私に同じことを言ったらデートと勘違い…………しないな。
 シンドラー王子関係の何かだろうな、って思う。誕生日プレゼント選びも王子のためだし、どちらに転んでもやはりそれは変わりなかった訳だが。

 こういうところがアッシュ家のメイドに選ばれた理由なんだろうか?

 メイドの引き抜き一つってしても好意なんて持たれていたら面倒臭いだろうし、私がちょうど良かったのだろう。鈍感で全くディートリッヒ様の気持ちに気づかなかっただけではあるが。

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