アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
私だって今ではすっかり慣れてしまったが、城に来た当初はそんなことをするとは想像もしていなかった。想像していなかったのは、ずっと空の上にいらっしゃると思っていた王子が意外と近くにいて、なし崩しにお茶をしていることも、だが。
ここ数年で想定外の日々を送り続けているものの、慣れた私と、思考が止まっているディートリッヒ様。どちらが常識人かと聞かれれば間違いなく、ディートリッヒ様である。
小さく息を吸い込んで、未だに瞬きを繰り返しているご主人様にその理由をお話させていただくことにしよう。
「はい。数ヶ月後に控えるマリー様のお誕生日プレゼントに贈られるとのことで……」
「……そうなった過程を聞いてもいいか?」
「発端はお茶会で、マリー様が私の話に興味を持たれたことでした。ディートリッヒ様もご存じかと思いますが、私は姉のウェディングドレスのために貯金を続けておりまして、その時にマリー様が『ではあなたのドレスは?』とお聞きになられて」
「そこからなぜ?」
ここ数年で想定外の日々を送り続けているものの、慣れた私と、思考が止まっているディートリッヒ様。どちらが常識人かと聞かれれば間違いなく、ディートリッヒ様である。
小さく息を吸い込んで、未だに瞬きを繰り返しているご主人様にその理由をお話させていただくことにしよう。
「はい。数ヶ月後に控えるマリー様のお誕生日プレゼントに贈られるとのことで……」
「……そうなった過程を聞いてもいいか?」
「発端はお茶会で、マリー様が私の話に興味を持たれたことでした。ディートリッヒ様もご存じかと思いますが、私は姉のウェディングドレスのために貯金を続けておりまして、その時にマリー様が『ではあなたのドレスは?』とお聞きになられて」
「そこからなぜ?」