アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
するとドアが開く音か、人の足音かを聞きつけた店員はカーテン越しに「はい。ただいま~」と声を返す。そしてパタパタとやってきたのは60はゆうに過ぎているだろうご老人だった。
職人という人は皆そうなのか、彼の背筋もまたボブ爺と同じようにしゃんと天井に向かって伸びている。顔に刻まれたしわさえなければ後15~16はサバを読んでもバレないだろう。
男はお客がディートリッヒ様だと確認すると、頬を緩める。
ディートリッヒ様は店主と思わしき男に「いいか?」と声をかけてから、彼を引き連れて店を回る。そして目当ての物の前で止まった。
「これ。後、あっちの壁にかけてあるものも頼む」
「いつもお買い上げありがとうございます、ディートリッヒ様」
「この店の品は信頼しているからな」
「ありがたいお言葉で……。例年通り、調整は後日ということでよろしいですかな?」
「ああ、頼む」
「では加工に入らせてもらいます」
小さく頭を下げた店主にディートリッヒ様は会計を済ませてしまう。
どうやらシンドラー王子の誕生日プレゼント選びは、店内に入ってからわずか10分と経たずに終了したらしい。
職人という人は皆そうなのか、彼の背筋もまたボブ爺と同じようにしゃんと天井に向かって伸びている。顔に刻まれたしわさえなければ後15~16はサバを読んでもバレないだろう。
男はお客がディートリッヒ様だと確認すると、頬を緩める。
ディートリッヒ様は店主と思わしき男に「いいか?」と声をかけてから、彼を引き連れて店を回る。そして目当ての物の前で止まった。
「これ。後、あっちの壁にかけてあるものも頼む」
「いつもお買い上げありがとうございます、ディートリッヒ様」
「この店の品は信頼しているからな」
「ありがたいお言葉で……。例年通り、調整は後日ということでよろしいですかな?」
「ああ、頼む」
「では加工に入らせてもらいます」
小さく頭を下げた店主にディートリッヒ様は会計を済ませてしまう。
どうやらシンドラー王子の誕生日プレゼント選びは、店内に入ってからわずか10分と経たずに終了したらしい。