アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
朝食を取ってから出るまでに時間はあったし、今日の朝食は軽めな物が多かった。皿洗いを手伝いながら聞けば「ディートリッヒ様の指示」とのことだったから、初めから食事をとるつもりだったのかもしれない。
帰りがいつになるかが分からないからと、食べ過ぎじゃないか? との制止を振り切ってお腹いっぱい食べといて正解だった。ディートリッヒ様に続いて店に入り、そして案内された個室で彼の後ろに立つ。
「アイヴィー、座りなさい」
「いえ、私はここで」
「いいから」
これが正しいメイドの立ち位置だ。
けれど振り返ったディートリッヒ様は自身の前に空いた席を指す。
「では失礼いたします」
あまり強く断るのも失礼に当たる。
強ばる身体で腰を下ろすと、ディートリッヒ様は納得したように頷いた。
後ろに立たれた状態での食事が出来ないと言う訳ではない。ディートリッヒ様は騎士であると同時に貴族だ。そんなのは慣れっこのはず。実際、お屋敷だって背後にベルモットさんを控えさせている。私が背後にいることに安心が出来ないというのなら、そもそも同伴以前に雇うことはないだろう。
帰りがいつになるかが分からないからと、食べ過ぎじゃないか? との制止を振り切ってお腹いっぱい食べといて正解だった。ディートリッヒ様に続いて店に入り、そして案内された個室で彼の後ろに立つ。
「アイヴィー、座りなさい」
「いえ、私はここで」
「いいから」
これが正しいメイドの立ち位置だ。
けれど振り返ったディートリッヒ様は自身の前に空いた席を指す。
「では失礼いたします」
あまり強く断るのも失礼に当たる。
強ばる身体で腰を下ろすと、ディートリッヒ様は納得したように頷いた。
後ろに立たれた状態での食事が出来ないと言う訳ではない。ディートリッヒ様は騎士であると同時に貴族だ。そんなのは慣れっこのはず。実際、お屋敷だって背後にベルモットさんを控えさせている。私が背後にいることに安心が出来ないというのなら、そもそも同伴以前に雇うことはないだろう。