アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 私が手に入れたのは、薔薇、マリーゴールド、そしてアイビーのキャンドルである。
 そう、メジャーな薔薇とマリーゴールドだけでなく、アイビーまで用意されていたのだ!
 教会に何か還元したいという気持ちもあったが、バリエーションにアイビーを加えてくれたことが嬉しかったのだ。

 早速お姉様に贈りましょ!
 自分の分も今度足を運んだ時にでも譲ってもらおうかしら。

 そしてマリーゴールドはもちろんシンドラー王子のお誕生日プレゼントに加えるつもりだ。
 きっと喜んでくれるはずだ。喜ぶ顔を想像しながら、私はそれとはまた別のプレゼントの購入へ向かう。

 前回二周もした甲斐あって、ある程度、どの物がどこに置いてあるかは記憶の中にしっかりと刻まれている。
 セルロトの店に入り、香りを堪能することなくスタスタとマリーゴールドの香油が置かれている場所に足を進める。
 だがそこに置かれていたのは香油の詰まった小瓶、ではなく『SOLD OUT』の札だった。
 いい香りだものね……。
 無機質なその文字に肩を落とす。今は赤字で書かれた『近日入荷予定』に期待するしかなさそうだ。

「はぁ……」
< 171 / 241 >

この作品をシェア

pagetop