アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 王子の誕生日はまだ先。
 間に合うとは思うけれど、それまでにまた売り切れになったりはしないだろうか。
 周りを見回せばやはり盛況で。
 友人の店が繁盛して嬉しいはずなのに、ついため息が漏れてしまう。


「ちょっとアイヴィー。人の店でため息なんて吐かないでくれる?」
「あ、ごめんなさい」
「それで何?」
「え?」
「ため息の理由。わざわざうちに来てから吐くくらいだからこの店関連でしょう?」
「あ、うん」
「なら解決してあげるから話して」
「実はね、マリーゴールドの香油が品切れで」
「ああ。うちの人気商品の一つだからね。急いで作ってはいるけど出す度に売れてるって感じかな」
「やっぱり……」
「落ち込まないでよ。何? 恋人の香りとかなの?」
「それは違うわ」

 なぜセルロトはすぐにそういう関係にくっつけようとするのだろう。
 城に居た頃はすぐに薬に関連づけようしていた彼だが、すっかり恋愛脳になったのだろうか。

「でもお姉様の分はこの前持って帰っただろう?」
 なるほど。
 私の行動のほとんどはお姉様関連だと思われているのか。
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