アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
「眼を真っ赤にした人に相談する事なんてないよ。それにここに来たのは素材集めのため。暇なら手伝って」
「……私の扱い、雑じゃない?」
「慰めて欲しいの?」
「いや、全然」

 顔の前で左右にパタパタと手を振れば、セルロトは深くため息を吐いた。

「そういうの、アイヴィーの悪い癖だよな……。まぁいいや。どうせ暇でしょ? ほら籠持って。集めるのはこれと同じ薬草ね」
「了解」
 セルロトから小さな籠を受け取り、目の前に見せられた薬草を探し始める。強引に薬草探しを手伝わせる彼だが、何もこれが初めてのことではない。扱いに困った時、彼は決まって籠を押しつけるのだ。おそらくこれがセルロトなりのストレス解消なのだろう。

 きっとここに来たのも何かあったから。
 ただ単に研究に息詰まったとかかもしれないけれど。
 湖から少し離れて、草むらをかき分けながら薬草を探す。
 傷薬に使う薬草で、これならすぐに見つかるだろう。

「日が暮れる前に終わらせるんだからね!」
 意地悪な姑のような言葉を投げかけるセルロト。
 視線を向ければ、彼の周りからは一定間隔を空けて薬草が抜かれていた。

 さすがセルロト。
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