アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
「うん。水がいい。だからアイヴィーにあげたあのアイビーの香油もここで採取したアイビーを使ったんだ」

 自生しているアイビー。
 つまりは野生のアイビー。
 なんだか強そうね!

「ほら、あそこに白い花がついてるでしょう?」
 セルロトが指を指すそこに茂っていたのはまさにアイビーである。アイビーって結構ツタや葉っぱのイメージが強いけれど、咲かせる花は可愛らしいものなのだ。
 強そうね! なんて思ったおまえが何を言うかと思われるかもだけど。
 だが強さと可愛らしさを兼ね備えたアイビー……か。

 これで花冠でも作ろうかしら?
 どうせもらえる見込みはないのだ。
 ならいっそ自分で作ってしまうのはどうだろう?

 大切な自分に、自分から贈る花冠。
 子どもの頃に憧れたそれとは違う物になってしまっているけれど、案外悪くないんじゃない?

「このくらいでいいかな、っと。アイヴィー、行こう」
「うん!」
 採取を終わらせたセルロトは籠を背負い、湖に背を向ける。
 私もアイスを奢ってもらうべく、彼の後に続くのだった。



「ストロベリーとバニラで」
「はいよ!」

< 196 / 241 >

この作品をシェア

pagetop