アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 久々に会う王子は沢山のプレゼントに囲まれながら私を出迎えてくれた。もちろん隣にはマリー様。作成メモと見本は紙袋に入れてきて正解だったわ。苦労が無駄にならなかったことに籠の取ってを強く握る。やっぱりサプライズは重要なのだ。

「シンドラー王子、お誕生日おめでとうございます」
「ありがとう」
 嬉しそうに笑うシンドラー王子だがまさに童話の中の王子様さながらの笑みである。けれどディートリッヒ様を部屋から押し出すその光景には不思議と高貴な雰囲気を感じない。そしてそれは手伝っているマリー様も同じこと。

 ――というかお二人は何しているのだろう?
『心配しなくていいから、早く仕事に行け』と遠回しに伝えることはあっても、今までこんなに強引な手段は取ったことがなかった。

 どんな心境の変化だろう。
 婚約者の連携プレーにより、ディートリッヒ様は部屋から追い出された。


 本当に、私が知らないところで何があったの!?
 ディートリッヒ様が変わってしまったことにも関係があるのだろうか。
 ドアに背中を預ける二人に声をかければ「ちょっと待ってて!」と力強い言葉が返されるのだった。



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