アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
「とりあえず話して頂戴」
「アイス片手に騒いでいたところを目撃されています」
「へ? アイス?」
「それはアイヴィー一人でのことかしら?」

 目を丸くするシンドラー王子と、対照的に真面目な顔の前に両手を組むマリー様――二人には明確なまでの温度さがあった。

 ここはとりあえずマリー様の質問に答えるべきだろう。

「いえ、私だけではなく、友人も一緒でした」
「それは……男性?」
「はい。そうですけど……」

 性別の情報って今、大事?
 疑問に思いながらもそう答えると、何故か王子までもが全てを察したように、あ~と声を漏らす。見事に合わさったその声。

 一体なんだと言うんだ!

「な、なんですか?」
「嫉妬よ! ディートリッヒ様はアイヴィーと一緒にいた男性に嫉妬したの!」
 答えをせがむ私にマリー様から返された答えはどこか的を外したものだった。
 だってあのディートリッヒ様がアイスを食べられなかったくらいで引きずる訳がないじゃないか。
 そう思うのに、シンドラー王子はマリー様に同調するようにうんうんと何度も首を縦に振る。

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