アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
酸味と甘みのバランスが抜群で、まるで口内で大合奏でも奏でるかのよう。
店自体にはドレスコードはないが、これは間違いなく正装で楽しむべき一品である。ディートリッヒ様に同行するということで、少しいい服を着てきて正解だったわ。
想像以上にエレガントな味に、一旦休憩を求めるように紅茶に手をのばす。
するとガーネットのような深い赤をしたそれは、安らぎなどではなかったことを実感させられる。ショートケーキが合奏ならこちらはコーラス隊である。ケーキの良さを引き立てるように、濃いめに抽出されたそれはあくまでわき役として寄り添っているのだ。
まさか紅茶までもメンバーの一員だとは……。
口の中どころか心までも癒されてしまう。
ディートリッヒ様の前だと言うのに、私の頬は完全に緩みきっていた。
「本当に、アイヴィーは幸せそうに食べるんだな」
そんな私をじっと見つめるディートリッヒ様。
急いでカップをソーサーの上に置き「すみません!」と頭を下げる。
シンドラー王子とマリー様とのお茶会と同じ調子で楽しんでしまっていた。
主を差し置いてお茶を楽しむなんてメイド失格だわ……。
店自体にはドレスコードはないが、これは間違いなく正装で楽しむべき一品である。ディートリッヒ様に同行するということで、少しいい服を着てきて正解だったわ。
想像以上にエレガントな味に、一旦休憩を求めるように紅茶に手をのばす。
するとガーネットのような深い赤をしたそれは、安らぎなどではなかったことを実感させられる。ショートケーキが合奏ならこちらはコーラス隊である。ケーキの良さを引き立てるように、濃いめに抽出されたそれはあくまでわき役として寄り添っているのだ。
まさか紅茶までもメンバーの一員だとは……。
口の中どころか心までも癒されてしまう。
ディートリッヒ様の前だと言うのに、私の頬は完全に緩みきっていた。
「本当に、アイヴィーは幸せそうに食べるんだな」
そんな私をじっと見つめるディートリッヒ様。
急いでカップをソーサーの上に置き「すみません!」と頭を下げる。
シンドラー王子とマリー様とのお茶会と同じ調子で楽しんでしまっていた。
主を差し置いてお茶を楽しむなんてメイド失格だわ……。