アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
出会い方さえ違えば、恋はせずとも憧れくらいは抱いていただろう。
けれど逃走中の王子と出会った私が今、彼に抱いているのは親愛。色々とあった結果が今につながっているのだから不満はないが。
まかないを食べながら、やっぱり何てことない日常が一番よね~なんて窓から空を見上げていた。
――けれど、それがいけなかったのだろう。
嵐とは突然訪れるものである。
食事を済ませ、重ねたお皿をキッチンへと運んでいた時のこと。
聞き慣れない少女の声が廊下に響いた。
「アイヴィーっていう子はどこなの!? 出しなさいよ!」
「ラティリアーナお嬢様、落ち着いてください」
「これが落ち着いてられますか! ベルモットが呼んでこないっていうんだったら、私が勝手に探しますからね!」
「呼びます。呼びますから! ですからお嬢様は来客室で……」
「ここで、待つわ!」
甲高いその声の主はどうやら私を探しているらしい。
だが話の内容からして、私のことをよく知らないようだ。
どなただろう?
お嬢様、と呼ばれているからには貴族のご令嬢、それもおそらくはディートリッヒ様のお知り合いなのだろう。
けれど逃走中の王子と出会った私が今、彼に抱いているのは親愛。色々とあった結果が今につながっているのだから不満はないが。
まかないを食べながら、やっぱり何てことない日常が一番よね~なんて窓から空を見上げていた。
――けれど、それがいけなかったのだろう。
嵐とは突然訪れるものである。
食事を済ませ、重ねたお皿をキッチンへと運んでいた時のこと。
聞き慣れない少女の声が廊下に響いた。
「アイヴィーっていう子はどこなの!? 出しなさいよ!」
「ラティリアーナお嬢様、落ち着いてください」
「これが落ち着いてられますか! ベルモットが呼んでこないっていうんだったら、私が勝手に探しますからね!」
「呼びます。呼びますから! ですからお嬢様は来客室で……」
「ここで、待つわ!」
甲高いその声の主はどうやら私を探しているらしい。
だが話の内容からして、私のことをよく知らないようだ。
どなただろう?
お嬢様、と呼ばれているからには貴族のご令嬢、それもおそらくはディートリッヒ様のお知り合いなのだろう。