アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 まさか掃除させてくれっていうだけで、実行させてもらえるまで2週間もかかるなんて思わなかった。ベルモットさんからの承認が下りるまで5日、ディートリッヒ様から許してもらえるまで10日である。
 初めは至るところに飾ってある、いかにも高級そうな絵画に傷でもつけられたらたまらないから、なんて理由かと思っていたがそうではないらしい。なにせ玄関先の掃除ですらダメだと突っぱねられてしまったのだ。

「そんなことしなくてもいいのですよ」なんてどこの貴族だよと突っ込みたくなるのを抑えるのは大変だった。それでもしつこく訴え続けたお陰で、無事簡単な掃除までなら任せてもらえるようになった。
 屋敷の中限定とか、重いものの移動などは認めないなどの制限はついているが、それでも大きな一歩である。


 そしてそのやりとりが長引いた割にすんなり通ったこともある。

「手入れに来ましたよ~」
「はーい。今行きます」
「こんにちは、アイヴィー。今日はいろんな花の種と球根を持ってきたんだが、どれを植えようか?」
「そうですね、やっぱり季節感は出していきたいと思うんですが……」
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