アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 ――こう思うと、欲しいものがないというわけではなく、何かが欲しいと思う前に誰かにもらっているといった感じだ。

 お菓子のおすそわけと言えば、ディートリッヒ様からの差し入れもお菓子が多かったなぁ。
 城下町で女性に人気の洋菓子とか、いかにもあのハイエナ令嬢達が好きそうなものばかり。よく考えたらあれってご令嬢に対するご機嫌伺いだったのかもなぁ……。今さら気付いたところで遅いけど。
 そう思うとディートリッヒ様が睨んでいたのは、二箱もらうようになってから一箱は仲間用に確保していたことを怒っていたのかもしれない。

 だって確保しておかないとご令嬢方が総取りして、貴族じゃない子達の分まで回ってこないんだもの!

 彼女達にとって大切なのはそのお菓子よりも誰からもらったか、であることは分かっていた。ディートリッヒ様に思いを寄せていたのは何も私だけではない。そうでなくともご令嬢方にとっては少しでもお近づきになれれば、と思う相手であったことは間違いないのだ。

 お菓子一つで会話のネタができる。
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