アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 貴族社会というのはそういうものなのだ。またそれは恋する乙女にも言えるのだから争奪戦はいつだって消えることはない。
 それでも実家に仕送りをしている子達が城下町で人気のお菓子に簡単に手を出せる訳がないし、それを当たり前のように取られるのが気に入らなかったのだ。

 それに私が睨まれて、他の子達が笑ってくれるなら安いものだ。
 そんな結論に至ってしまう辺り、やはり私は恋する乙女として終わっているのかもしれない。お菓子だって弟妹がいる子にいつもあげちゃっていたし。


 ……これ以上、深く考えるのはよそう。
 なんか思い出して悲しい気分になってくる。主に女性終わっているんじゃないかという面で。

「それなら明日は城下町にお出かけしてみたらどうですか? ウインドウショッピングというのも楽しいものですし、欲しい物が見つかるかもしれませんよ」
「そう、ですね……」

 まさかお金の使い道に悩む日が来るとは、王都に足を踏み入れたばかりの数年前の私は想像もしていなかったことだろう。


7.
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