アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 すべては愛するお姉様の、一生に一度しかない結婚式で着るウェディングドレスを納得のいくものにするために!!


 今から6年ほど前、私達は初めてお母様のウェディングドレスを目にした。
 子爵の生まれだったお母様がこの家に嫁いでくる時にお父様が贈ったものだという。それは純白の生地に銀糸でいくつもの花を刺繍したもので思わず目が奪われてしまうほどに綺麗なものだった。

 そして思ったのだ。
 お母様似のお姉さまが着るドレスもまたこれと同じかそれ以上のものであって欲しい、と。
 お姉さまが最高のウェディングドレスを着てくれるのならばお金に糸目をつけるつもりはなかったが、なにぶん先立つものがなかった。だがないのならどこかから手に入れればいい。

 だが悲しいことに田舎の貴族の娘というのは働き先というものがない。

 お金を出してまで手習いや勉強をならいたいと言う人は大抵上級貴族で、教える相手も地位がある程度高い者でなくてはならない。特殊な技能を持ち合わせていれば別なのだろうが、そんなものは私にはなかった。

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