アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
お母様が結婚する際にお父様から贈られたのはウェディングドレスだけではない。お母様の名前でもあるマーガレットの花冠も贈られたのだ。
それもお父様の手作りのものを。
お父様は手先が器用ではない。私に流れる不器用の血はおそらくお父様から受け継いだものなのだろう。見せてもらった絵に写っていたのは少し歪な形をした花冠だった。
絵なのだから実物よりも綺麗に描くことだって出来ただろうに、お母様にとって大切なのは『マーガレットの花冠』ではなく『お父様が贈ってくれた花冠』だったのだ。それはお父様がお母様のためだけに、お母様を想って作ってくれたものだから。
それがお母様は嬉しくてたまらなかったらしい。
だからお母様は、お姉様には『ローゼ』、私には『アイヴィー』というどちらも花が由来の名前を付けたのだと教えてくれた。
お母様がお父様に巡り会えたように、私達もお互いを大切に思えるような男性に巡り会えるように。
幼い私はその意味がよくわからなかった。思えばこの時からオトメゴコロというものが人よりも少なかったのかもしれない。
それもお父様の手作りのものを。
お父様は手先が器用ではない。私に流れる不器用の血はおそらくお父様から受け継いだものなのだろう。見せてもらった絵に写っていたのは少し歪な形をした花冠だった。
絵なのだから実物よりも綺麗に描くことだって出来ただろうに、お母様にとって大切なのは『マーガレットの花冠』ではなく『お父様が贈ってくれた花冠』だったのだ。それはお父様がお母様のためだけに、お母様を想って作ってくれたものだから。
それがお母様は嬉しくてたまらなかったらしい。
だからお母様は、お姉様には『ローゼ』、私には『アイヴィー』というどちらも花が由来の名前を付けたのだと教えてくれた。
お母様がお父様に巡り会えたように、私達もお互いを大切に思えるような男性に巡り会えるように。
幼い私はその意味がよくわからなかった。思えばこの時からオトメゴコロというものが人よりも少なかったのかもしれない。