アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
シンドラー王子やマリー様とは打ち解けているとは思っている。多少は信頼してくれているとも思う。
だがまさか城のメイドを辞めた後もこうして呼ばれるとは思わなかったのだ。
驚きが少し、けれど残りのほとんどは懐かしさというか安心感が占めている。どちらかと言えばそのことに私は戸惑っている。
二人とはもう会う機会はないと思っていたし、マリー様には別れの挨拶ができぬままだった。それが気になっていたとはいえ、こうして会ってみてまさかこんなに自分が気にしているとは思ってもみなかったのである。
だがここで『はい、そうですか』と頷く訳にはいかない。
だってそんな理由で、ディートリッヒ様が忙しいところを抜け出してまで私を探し回っていたのかと思うと申し訳ないから。
じっとりとした視線でシンドラー王子を見つめると、はははと王子は笑った。
やはりそれだけが理由ではないようだ、ととりあえず胸をなで下ろす。
「実は今回の警備隊の指揮を取るはずだった者が倒れた。その代わりにディートリッヒが駆り出されているんだ。だから私の護衛は他の者が担当していたんだが、その護衛役も他の仕事が入ってしまってね……」
だがまさか城のメイドを辞めた後もこうして呼ばれるとは思わなかったのだ。
驚きが少し、けれど残りのほとんどは懐かしさというか安心感が占めている。どちらかと言えばそのことに私は戸惑っている。
二人とはもう会う機会はないと思っていたし、マリー様には別れの挨拶ができぬままだった。それが気になっていたとはいえ、こうして会ってみてまさかこんなに自分が気にしているとは思ってもみなかったのである。
だがここで『はい、そうですか』と頷く訳にはいかない。
だってそんな理由で、ディートリッヒ様が忙しいところを抜け出してまで私を探し回っていたのかと思うと申し訳ないから。
じっとりとした視線でシンドラー王子を見つめると、はははと王子は笑った。
やはりそれだけが理由ではないようだ、ととりあえず胸をなで下ろす。
「実は今回の警備隊の指揮を取るはずだった者が倒れた。その代わりにディートリッヒが駆り出されているんだ。だから私の護衛は他の者が担当していたんだが、その護衛役も他の仕事が入ってしまってね……」