アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 そして何かがあった場合、国ひいては任せてしまったシンドラー王子や管理できなかった国王陛下の責任になってしまう。特に今回は国内外からもお客様がやってくる、大規模なパーティなのだから。
 巻き込みたくないというのはシンドラー王子とマリー様の優しさだ。

 そして人手が足りていないというのも本当なのだろう。使用人の中にハイエナ令嬢のような人員がそこそこいるのに対して、騎士の中にも貴族のお坊ちゃんが存在する。やはりというべきか、腰の剣はお飾りで、警護なんてとてもではないが任せられない。おそらくは私と入れ替わりで護衛から外された騎士は警護担当に回されているだろう。なにせ少しの間とはいえ、王子の護衛を任されるような実力者なのだから。
 お茶なんて淹れられなくてもなんの問題もない。

 さぞ大変なのだろう。
 今までと同じように、きっとこれからもしばらくディートリッヒ様は毎日疲れた様子で帰ってくるに違いない。
 なのに私はもう、この場所を手伝うことが出来ないのだ。なんと歯がゆいことだろう。

「話し相手として呼ぶくせに……」
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