アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
心配そうに呟くマリー様の背をさすり「明日一緒に謝りましょう」と元気づける。けれど彼女はなおも首を振る。
「きっと許してくれないわ。だって私、ディートリッヒ様からアイヴィーを取り上げようとしたのよ! 彼がずっとあなたのこと好きだって、私知っていたのに……」
「え?」
マリー様の口から飛び出した言葉に思わず声が漏れる。
ディートリッヒ様が私を好き?
私がディートリッヒ様のことを好きではなく?
これは失恋したと割り切ったはずの私の耳が拾った幻聴だろうか。
まだタイピンはカバンの中だ。きっとこの思いが捨て切れていなかったのだろう。そうに違いないとマリー様の顔を覗く。けれど彼女はその顔を両手で覆ってしまっている。
私が話の腰を折ったからついに泣き出して……!
ああどうしようと後悔が押し寄せる。
けれどマリー様の手の間から漏れた言葉は彼女の泣き声ではなかった。
「口が滑ったとはいえ、まさか本人よりも先に言っちゃうなんて……。ディートリッヒ、本当にごめんなさい。ああ、もう絶対に許してもらえないわ……」
それは後悔の言葉だった。
14.
「あの……マリー様?」
「きっと許してくれないわ。だって私、ディートリッヒ様からアイヴィーを取り上げようとしたのよ! 彼がずっとあなたのこと好きだって、私知っていたのに……」
「え?」
マリー様の口から飛び出した言葉に思わず声が漏れる。
ディートリッヒ様が私を好き?
私がディートリッヒ様のことを好きではなく?
これは失恋したと割り切ったはずの私の耳が拾った幻聴だろうか。
まだタイピンはカバンの中だ。きっとこの思いが捨て切れていなかったのだろう。そうに違いないとマリー様の顔を覗く。けれど彼女はその顔を両手で覆ってしまっている。
私が話の腰を折ったからついに泣き出して……!
ああどうしようと後悔が押し寄せる。
けれどマリー様の手の間から漏れた言葉は彼女の泣き声ではなかった。
「口が滑ったとはいえ、まさか本人よりも先に言っちゃうなんて……。ディートリッヒ、本当にごめんなさい。ああ、もう絶対に許してもらえないわ……」
それは後悔の言葉だった。
14.
「あの……マリー様?」