アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
「アイヴィーは今後もここで働くつもりなのか? 私は構わないが、ここは未婚の女性が長居するような場所ではない。新しい職場、紹介してやろうか?」
「え?」
「『君が職に困った時には私が次の職を紹介する』――そういう約束だっただろう」
「……覚えていたんですね」
「ああ。記憶力には自信があるからな!」
私とシンドラー王子が初めて会話らしい会話をしたのは5年ほど前である。
当時、掃除専門の侍女だった私にかくまってくれとシンドラー王子が声をかけてきたのが始まりだ。
シンドラー王子は今でこそ何でもこなせる、物語の登場人物のような王子様に成長されたが、出会った当時はレッスンを逃げ出す常習犯だった。
「かくまってくれ!」
窓を拭いている私の元に、運動神経がいいシンドラー王子が息を切らし、額には玉のような汗を浮かべて登場した。鍛錬場の近くを通りかかる際には剣術を習っている王子の姿をたびたび目にすることがあったがそれの比ではない。
使用人仲間からの前情報がなければ何事かと混乱していたことだろう。
「え?」
「『君が職に困った時には私が次の職を紹介する』――そういう約束だっただろう」
「……覚えていたんですね」
「ああ。記憶力には自信があるからな!」
私とシンドラー王子が初めて会話らしい会話をしたのは5年ほど前である。
当時、掃除専門の侍女だった私にかくまってくれとシンドラー王子が声をかけてきたのが始まりだ。
シンドラー王子は今でこそ何でもこなせる、物語の登場人物のような王子様に成長されたが、出会った当時はレッスンを逃げ出す常習犯だった。
「かくまってくれ!」
窓を拭いている私の元に、運動神経がいいシンドラー王子が息を切らし、額には玉のような汗を浮かべて登場した。鍛錬場の近くを通りかかる際には剣術を習っている王子の姿をたびたび目にすることがあったがそれの比ではない。
使用人仲間からの前情報がなければ何事かと混乱していたことだろう。