アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 けれど風の精に聖母って、そんなの私のイメージからかけ離れている。どんなフィルターをかけたらそんなになるのだろうか。あのディートリッヒ様がそんなことを言ったなんて信じられる訳もない。
 さすがにこれはマリー様の作り話なんじゃなかろうか。
 元気づける為の薬になれば、と思ってくれてのことだろう。
 そう思って聞き流そうとするけれど、マリー様は隣で「本当なんだから」と頬をぷっくらと膨らませる。


「アイヴィーと仲良くなってからはあなたの好みや、若い女の子が好きそうな物を頻繁に聞いてきたりして……。その証拠に、ディートリッヒ様からいろんな贈り物をされたでしょう?」

 証拠に、と言われても『ディートリッヒ様からの贈り物』と聞いて思い浮かぶものがほとんどない。

 もらったものと言えば差し入れくらいなものだ。
 あれを私への贈り物と換算してしまうのはあまりに傲慢がすぎるだろう。それに今更あれが私へなんて言われたらいたたまれない。なにせほとんどが私の手を通りすぎているのだから。
 ハイエナ令嬢に至ってはそれを会話の種にしていたほど。
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