アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 だがそれらがハイエナ令嬢たちの手にも渡っていることはディートリッヒ様も分かっていたはずだ。その上でみんなにとくれていたのだから、やはり私への贈り物ではなかったはずだ。断じて私は好きな相手からもらった物を無意識に横流しなんてしていない。

 つまりマリー様との会話の一つでしかなかったという訳だ。
 だから安心しろ、私。
 そう言い聞かせたのに、続くマリー様の言葉はあまりにも残酷だった。

「個人ではもらってもらえないだろうからってカモフラージュで他の人にもと渡せば、未来の夫探しに城に滞在している下級貴族の令嬢たちの手に渡り。ならばと量を増やしてみたがアイヴィーの手に渡っているか怪しいって。どうしたら彼女の手に届くかって模索していたわ。まぁ、最後までろくにあなたの手には渡っていなかったわけだけど」
「っ……」

 そこまで努力されていたとも知らず、私はバックヤードで配布をしていたなんて……。思わず乙女らしからぬ低い声が喉の奥から這い上がる。いや、こんな私が乙女なんて他の子に失礼よね……。
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