政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
松濤にある実家は残っているものの、以前よりも質素な生活になった。
数台あった車は一台になり、複数名いた家政婦は次第に減って今はひとりだけ。庭師を呼ぶのも、二か月に一度から年に一度になった。
百貨店の外商が来なくなったのは、いつ頃だっただろうか。同じ頃、母がパーティードレスや宝石をいくつか手放したことも知っている。
すみれ自身は、特にブランド物やジュエリーに興味はなかったけれど……。自身に与えられるもののグレードが下がっていくにつれ、危機感は抱いていた。
正直、祖父母と両親が実家に住み続けていられるだけ運がいいのかもしれない。そんな風に思うほど、幼い頃と成人した頃の生活は変わっていた。
そういった経験と現実を知っているからこそ、すみれは六条の未来を案じている。
六条商事は、もう再起不能ではないのか……と。
慧との結婚で御門から六条に多額の支援があったことは知っているが、そんなもので本当にどうにかなるのだろうか……と。
ただでさえ、今の世は不景気なのだ。
私財を投じても、利益を回復できずに大規模なリストラをするはめになった。そんな会社が支援を得たところで、今さら大きな利益を生み出せるとは思えない。
よほど特別なことでもない限り、寿命が少し伸びた程度ではないか。
今や、六条商事が世の中から絶対的に必要とされているとは言えない。
全盛期の名残はなく、同業他社は多い。六条商事の代わりになる会社など、いくらでもあるだろう。
近い将来、六条商事は世間から必要とされなくなるかもしれない。時代とともに六条の名に価値がなくなっていったのと同じように……。
(……なんて、私が考えても仕方がないことだけど)
数台あった車は一台になり、複数名いた家政婦は次第に減って今はひとりだけ。庭師を呼ぶのも、二か月に一度から年に一度になった。
百貨店の外商が来なくなったのは、いつ頃だっただろうか。同じ頃、母がパーティードレスや宝石をいくつか手放したことも知っている。
すみれ自身は、特にブランド物やジュエリーに興味はなかったけれど……。自身に与えられるもののグレードが下がっていくにつれ、危機感は抱いていた。
正直、祖父母と両親が実家に住み続けていられるだけ運がいいのかもしれない。そんな風に思うほど、幼い頃と成人した頃の生活は変わっていた。
そういった経験と現実を知っているからこそ、すみれは六条の未来を案じている。
六条商事は、もう再起不能ではないのか……と。
慧との結婚で御門から六条に多額の支援があったことは知っているが、そんなもので本当にどうにかなるのだろうか……と。
ただでさえ、今の世は不景気なのだ。
私財を投じても、利益を回復できずに大規模なリストラをするはめになった。そんな会社が支援を得たところで、今さら大きな利益を生み出せるとは思えない。
よほど特別なことでもない限り、寿命が少し伸びた程度ではないか。
今や、六条商事が世の中から絶対的に必要とされているとは言えない。
全盛期の名残はなく、同業他社は多い。六条商事の代わりになる会社など、いくらでもあるだろう。
近い将来、六条商事は世間から必要とされなくなるかもしれない。時代とともに六条の名に価値がなくなっていったのと同じように……。
(……なんて、私が考えても仕方がないことだけど)