政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「私たち、すごく早食いだったね」と肩を竦める美弥に、すみれも苦笑する。それほどおいしかったとはいえ、さすがに早食いすぎたかもしれない。
ホットコーヒーを追加したところで、彼女が言いにくそうに切り出した。
「あのさ……この間は大丈夫だった?」
質問の意味はすぐにわかった。すみれはどう説明しようかと少しだけ悩み、正直に打ち明けることにする。
「大丈夫ってわけじゃなかったかな。あのときの話、慧さんに聞こえてたみたい。夜に帰ってきたときに離婚したいのか訊かれて、気まずい雰囲気になっちゃったんだ。でも、自業自得だし、慧さんが怒るのも無理はないかなって……」
「そっか……。私も気をつけていればよかったね」
「美弥のせいじゃないよ。むしろ、美弥は励ましてくれてたじゃない。私が安易に『離婚』って言葉を出したのがいけなかったんだよ」
あのときの美弥は、諭すように話し、渇を入れてくれた。彼女に非はない。
「でも、すみれは本気で離婚しようと思ってるわけじゃないじゃない。それはちゃんと伝えた?」
「ううん……。結局、あの日のことは話し合ってないの。でも、慧さんもそれでいいと思ってるのかもしれない。慧さんからもなにも言われないんだ……」
「だからって……」
「いいの。もともと政略結婚だったから、信頼関係もないし……。私がなにを言っても、たぶん言い訳に聞こえるんじゃないかな。だったら、なにも言わない方がいいのかも」
たとえば、『軽率なことを言ってしまってごめんなさい』と言ったところで、慧にとってはそれすらも言い訳に聞こえるのではないだろうか。
「うーん……謝るにしてもちょっと時間が経ってるし、今さら感もあるのかな。でも、このままだと夫婦関係が進展するどころじゃないよね」
なにげなく零された言葉に、すみれが動揺してしまう。目ざとい美弥が、その瞬間を見逃すはずがなかった。
「……その顔はなにかあったな?」
「……ありました」
鋭い視線が飛んでくる。すみれが素直に白状すると、にやりとした笑顔が返された。
ホットコーヒーを追加したところで、彼女が言いにくそうに切り出した。
「あのさ……この間は大丈夫だった?」
質問の意味はすぐにわかった。すみれはどう説明しようかと少しだけ悩み、正直に打ち明けることにする。
「大丈夫ってわけじゃなかったかな。あのときの話、慧さんに聞こえてたみたい。夜に帰ってきたときに離婚したいのか訊かれて、気まずい雰囲気になっちゃったんだ。でも、自業自得だし、慧さんが怒るのも無理はないかなって……」
「そっか……。私も気をつけていればよかったね」
「美弥のせいじゃないよ。むしろ、美弥は励ましてくれてたじゃない。私が安易に『離婚』って言葉を出したのがいけなかったんだよ」
あのときの美弥は、諭すように話し、渇を入れてくれた。彼女に非はない。
「でも、すみれは本気で離婚しようと思ってるわけじゃないじゃない。それはちゃんと伝えた?」
「ううん……。結局、あの日のことは話し合ってないの。でも、慧さんもそれでいいと思ってるのかもしれない。慧さんからもなにも言われないんだ……」
「だからって……」
「いいの。もともと政略結婚だったから、信頼関係もないし……。私がなにを言っても、たぶん言い訳に聞こえるんじゃないかな。だったら、なにも言わない方がいいのかも」
たとえば、『軽率なことを言ってしまってごめんなさい』と言ったところで、慧にとってはそれすらも言い訳に聞こえるのではないだろうか。
「うーん……謝るにしてもちょっと時間が経ってるし、今さら感もあるのかな。でも、このままだと夫婦関係が進展するどころじゃないよね」
なにげなく零された言葉に、すみれが動揺してしまう。目ざとい美弥が、その瞬間を見逃すはずがなかった。
「……その顔はなにかあったな?」
「……ありました」
鋭い視線が飛んでくる。すみれが素直に白状すると、にやりとした笑顔が返された。