政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
クリスマスもお正月も、瞬く間に過ぎていった。
平日だった昨年のクリスマスはごく普通に終わり、夫婦だというのにディナーもプレゼントもなかった。


すみれも、慧の好きなものがわからず、プレゼントは用意できないまま。もっとも、準備していたところで受け取ってもらえなかっただろうけれど……。


新年は、形ばかりの挨拶を交わし、互いの実家に顔を出しに行った。
御門家には歓迎されたが、彼と上手くいっていないという現実が居心地を悪くさせ、笑顔を繕うだけで精一杯。


自分の実家では、上機嫌の父を前に静かに過ごした。
父は、慧の前ではいつも機嫌がいい。彼がすみれや六条を見限らないよう、必死なのも伝わってくる。すみれは、そんな父の邪魔をしないように過ごすのだ。


慧も、すみれの両親の前では人当たりがいい雰囲気を纏っている。さすがは御曹司と言うべきか。その演技は、俳優顔負けだ。
両親は、彼とすみれが上手くいっていないとは夢にも思っていないだろう。


しかも、慧は両親の前ではすみれを気遣う様子も見せる。そんな彼のふとした優しさに、すみれ自身は戸惑うばかり。


ふたりきりのときには慧からは触れられもせず、会話もほとんどない。家の中と外ではまったく違う彼の様子に、すみれはいつも困惑させられる。


(慧さんはどうして私と結婚したのかな……。うちにはメリットしかなかったけど、御門家には特にメリットはなさそうなのに……)


今や、旧華族の威厳も力もない六条家に反し、御門の力は強い。それこそ、六条と関係を持つメリットが見当たらないほどに。


もっとも、すみれがいくら考えたところで、慧の思惑はわからないのだけれど……。

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