政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
大きなため息を漏らしてしまったとき、玄関のドアが開く音がした。
すみれがソファから立ち上がる。程なくして、彼がリビングに入ってきた。
「おかえりなさい。お疲れ様でした」
「ただいま。まだ起きてたのか」
「あっ、はい。明日は休みなので、色々していたらこんな時間になってしまって」
あくまで、慧の帰りを待っていたわけではない、という口調で答える。これが嘘であることがバレないよう、すみれは小さな笑みを見せた。
「なにか飲まれるか、召し上がりますか? 簡単なものならすぐに出せますが」
「夜は会食で済ませたから必要ない」
すぐに断られが、予想通りだ。すみれは小さく頷いたあとで、再び口を開いた。
「でしたら、明日は家で一緒に食べませんか? 慧さんが好きなものを用意します」
明日は土曜日。慧は週末でも朝から夜まで家にいないときもあるが、毎週ではない。家にいることもあれば、私服でどこかに出掛けている日もある。
「前にも言ったが」
次に続く言葉を読んだすみれが、心が傷つかないように準備をする。
「すみれはそんなことをしなくていい。その方がお互いにラクだし、気兼ねもしなくていいだろ」
淡々とした冷たい声音だった。
すみれがどうであれ、彼がすみれとの距離を縮める気がなことだけはわかる。
(この先もずっとこんな感じなのかな……)
一瞬、そんな風に考えたが、顔には出さないように努める。
すみれがソファから立ち上がる。程なくして、彼がリビングに入ってきた。
「おかえりなさい。お疲れ様でした」
「ただいま。まだ起きてたのか」
「あっ、はい。明日は休みなので、色々していたらこんな時間になってしまって」
あくまで、慧の帰りを待っていたわけではない、という口調で答える。これが嘘であることがバレないよう、すみれは小さな笑みを見せた。
「なにか飲まれるか、召し上がりますか? 簡単なものならすぐに出せますが」
「夜は会食で済ませたから必要ない」
すぐに断られが、予想通りだ。すみれは小さく頷いたあとで、再び口を開いた。
「でしたら、明日は家で一緒に食べませんか? 慧さんが好きなものを用意します」
明日は土曜日。慧は週末でも朝から夜まで家にいないときもあるが、毎週ではない。家にいることもあれば、私服でどこかに出掛けている日もある。
「前にも言ったが」
次に続く言葉を読んだすみれが、心が傷つかないように準備をする。
「すみれはそんなことをしなくていい。その方がお互いにラクだし、気兼ねもしなくていいだろ」
淡々とした冷たい声音だった。
すみれがどうであれ、彼がすみれとの距離を縮める気がなことだけはわかる。
(この先もずっとこんな感じなのかな……)
一瞬、そんな風に考えたが、顔には出さないように努める。