政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「わかりました。じゃあ、私は先に休ませていただきますね」
「ああ」
慧の顔を見られなかった。
彼と目が合うと、不安や不満を零してしまいそうで……。すみれはどうにか微笑み、リビングを出て自室のベッドの突っ伏した。
この家にはふたりで住んでいるはずなのに、すみれはいつもひとりぼっちだ。
結婚前、実家に住んでいたときはよかった。
父との関係は良好とは言えなかったし、厳しい監視にも辟易していたけれど……。母との関係はよかったし、夕食のときにはいつも会話が弾んだ。
会社でも家でも誰にも必要とされていない今とは違って、楽しいこともあったのだ。
こんなときは無性に寂しく、虚しくなる。
昨日がすみれの二十四歳の誕生日だったことを、慧は忘れているのだろう。
昨日も今朝も彼は早くに家を出ていて顔を合せなかったから、少しだけ期待していた。明日には祝ってもらえるのではないか……と。
けれど、そんな様子はない。淡い期待は、無残にも打ち砕かれた。
「変なの……」
婚約者だったときには、素敵なフレンチレストランのディナーで祝ってくれた。花束とブレスレットをプレゼントされて嬉しかったのを、昨日のことのように覚えている。
反して、慧は違うのだろう。
(結婚したから、もう誕生日を祝う価値もないと思われてるのかも……)
ふと過った想像にますます虚しくなって、胸まで苦しくなってくる。
すみれは今日一番の深いため息をつき、頭まですっぽりと布団を被って瞼を閉じた。
「ああ」
慧の顔を見られなかった。
彼と目が合うと、不安や不満を零してしまいそうで……。すみれはどうにか微笑み、リビングを出て自室のベッドの突っ伏した。
この家にはふたりで住んでいるはずなのに、すみれはいつもひとりぼっちだ。
結婚前、実家に住んでいたときはよかった。
父との関係は良好とは言えなかったし、厳しい監視にも辟易していたけれど……。母との関係はよかったし、夕食のときにはいつも会話が弾んだ。
会社でも家でも誰にも必要とされていない今とは違って、楽しいこともあったのだ。
こんなときは無性に寂しく、虚しくなる。
昨日がすみれの二十四歳の誕生日だったことを、慧は忘れているのだろう。
昨日も今朝も彼は早くに家を出ていて顔を合せなかったから、少しだけ期待していた。明日には祝ってもらえるのではないか……と。
けれど、そんな様子はない。淡い期待は、無残にも打ち砕かれた。
「変なの……」
婚約者だったときには、素敵なフレンチレストランのディナーで祝ってくれた。花束とブレスレットをプレゼントされて嬉しかったのを、昨日のことのように覚えている。
反して、慧は違うのだろう。
(結婚したから、もう誕生日を祝う価値もないと思われてるのかも……)
ふと過った想像にますます虚しくなって、胸まで苦しくなってくる。
すみれは今日一番の深いため息をつき、頭まですっぽりと布団を被って瞼を閉じた。