政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
そういうわけで、最近はひとりのときの夕食は簡単に済ませている。その分、夜のうちに朝食の下越えを済ませ、朝は温め直すだけで食べられるようにしていた。
トーストと目玉焼きだけの日もあれば、和食を並べる日もある。慧の楽しみは、すみれのお弁当のおかずの残り物らしい。
焼きたての魚よりも、卵焼きや肉巻きの切れ端を嬉しそうに食べる。なぜ喜ぶのかはわからないが、そんなときの彼は子どもみたいで可愛かった。
ちなみに、タコさんウインナーを出したときは不思議そうな顔をしていた。どうやら慧は初めて見たらしい。お子様ランチも食べたことがないのだとか。
すみれは驚きつつも、彼の生い立ちを考えたら当然かもしれないと思った。
(今日の夜ご飯もひとりなんだよね。なに食べようかな)
会社を出たすみれは、冷蔵庫に入っているものを頭の中で並べていく。メニューを考えていると、「すみれちゃん」と名前を呼ばれた。
「真ちゃん! こんなところでどうしたの?」
六条商事の最寄り駅近くで声をかけてきたのは、真輔だ。彼の家や会社とは縁がないであろう場所のため、すみれは目をぱちくりとさせた。
「すみれちゃんに話があって、待ってたんだ」
「話?」
「うん。どこかで話せないかな? 三十分くらいでいいんだ」
真輔は、心なしか神妙な顔をしている。彼とはすっかり疎遠になっており、会うのも披露宴以来だ。
けれど、わざわざすみれを待っていたのなら、よほどの用件なのかもしれない。
幸い、今夜は慧の帰りが遅いと聞いている。明日は土曜日だから、少しくらい帰宅が遅くなっても問題ない。
「うん、わかった」
「ありがとう。ご飯はこれからだよね? もしよかったら一緒に食べない? それとも、御門さんと食べるかな」
「今日は、慧さんは遅いみたいなの。ひとりで食べるつもりだったから大丈夫だよ」
「じゃあ、すぐそこのイタリアンバルはどう?」
すみれは承諾し、真輔と店に向かう。彼とはお見合いの日以来まともに話していないが、不思議と気まずさはなかった。
トーストと目玉焼きだけの日もあれば、和食を並べる日もある。慧の楽しみは、すみれのお弁当のおかずの残り物らしい。
焼きたての魚よりも、卵焼きや肉巻きの切れ端を嬉しそうに食べる。なぜ喜ぶのかはわからないが、そんなときの彼は子どもみたいで可愛かった。
ちなみに、タコさんウインナーを出したときは不思議そうな顔をしていた。どうやら慧は初めて見たらしい。お子様ランチも食べたことがないのだとか。
すみれは驚きつつも、彼の生い立ちを考えたら当然かもしれないと思った。
(今日の夜ご飯もひとりなんだよね。なに食べようかな)
会社を出たすみれは、冷蔵庫に入っているものを頭の中で並べていく。メニューを考えていると、「すみれちゃん」と名前を呼ばれた。
「真ちゃん! こんなところでどうしたの?」
六条商事の最寄り駅近くで声をかけてきたのは、真輔だ。彼の家や会社とは縁がないであろう場所のため、すみれは目をぱちくりとさせた。
「すみれちゃんに話があって、待ってたんだ」
「話?」
「うん。どこかで話せないかな? 三十分くらいでいいんだ」
真輔は、心なしか神妙な顔をしている。彼とはすっかり疎遠になっており、会うのも披露宴以来だ。
けれど、わざわざすみれを待っていたのなら、よほどの用件なのかもしれない。
幸い、今夜は慧の帰りが遅いと聞いている。明日は土曜日だから、少しくらい帰宅が遅くなっても問題ない。
「うん、わかった」
「ありがとう。ご飯はこれからだよね? もしよかったら一緒に食べない? それとも、御門さんと食べるかな」
「今日は、慧さんは遅いみたいなの。ひとりで食べるつもりだったから大丈夫だよ」
「じゃあ、すぐそこのイタリアンバルはどう?」
すみれは承諾し、真輔と店に向かう。彼とはお見合いの日以来まともに話していないが、不思議と気まずさはなかった。