政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
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六月は穏やかに過ぎていき、七月も下旬に入った。
今日は土曜日で、すみれは休み。慧は朝から仕事に出掛けていたが、夕食はラグジュアリーホテルの最上階にある鉄板焼き店に繰り出した。
束の間のディナーデートは楽しく、おいしい料理に舌鼓を打つ。彼がスイーツまで頼んでくれ、すみれはお腹が苦しいくらい満腹になった。
帰宅後はすぐにお風呂を沸かし、あとで映画を観る予定だ。楽しみにしていたすみれがポップコーンを用意していると、慧が愛おしげに瞳を緩めた。
「すみれ、今夜こそ一緒にお風呂に入ろうか」
「えっ……」
「そろそろいいだろ?」
動揺したすみれに、彼は余裕の笑みを浮かべている。
一緒にお風呂に入るのは、まだ恥ずかしい。そんな理由でこれまでは断り続けてきたが、今夜は逃げられない予感がした。
「……あんまり見ないって約束してくれますか?」
「難題だな。目の前に裸のすみれがいて、我慢できるわけがない」
はっきりと言い切られ、すみれはたじろいでしまう。
「ダメか?」
けれど、上目遣いで乞われると、つい絆されて頷いてしまった。
慧が喜々とした表情になり、すみれを抱き上げる。「自分で歩けますよ」と言うすみれに、彼は「いいから」と返してチュッとキスをした。
脱衣所では甲斐甲斐しく服を脱がされたが、身体はなんとか自分で洗う。慧は不服そうにしつつも、「次は俺が洗うから」と宣言していた。
湯船に浸かると、背後から優しく抱きすくめられる。彼の足の間に座っているすみれは、ドキドキして顔を上げられなかった。
「そんなに緊張しなくてもいいのに」
「無理ですよ……。こんなに明るいですし、お互いに裸ですし……」
「裸なら見慣れてるだろ。今朝だって――」
「慧さんっ!」
思わず振り向いたすみれが、慧の唇を両手で塞ぐ。彼はククッと笑いながらその手を右手で取り、すみれの唇をそっと塞いだ。
チュッ、チュッ……と甘いリップ音が響く。触れるだけだった口づけが戯れのようになっていき、そのうち何度も唇を食まれた。