政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「社員のプロフィール、顧客情報、取引先の詳細……すみれちゃんでも、これがどんな意味を持つかわかるよね?」


どこかバカにした口調だが、今はそんなことはどうでもいい。真輔に見せられた顧客情報や取引先の名前には、見覚えがあるものばかりだったからだ。


並んでいるのは、すみれが資料を作成した際に見た名前である。すべてを把握できているわけではないものの、この情報が偽物だという確証もない。


そこまで把握したところで、瞬時に察する。すみれが選択を間違えれば、六条だけではなく御門にも大きな被害を及ぼす……と。


「これが機密情報だってことは、親のコネで入社した君でもわかるだろ? 御門の方は本物かどうか証明する術はないけど、信じるかどうかはすみれちゃんに任せるよ」


ニヤッと笑った彼を前に、すみれの背筋に悪寒が走る。


目の前にいるのは、本当に真輔だろうか。温厚で親しみやすい雰囲気を持っていたはずの彼が、まったく知らない人のように感じた。


「どこでこれを?」
「ちょっとスパイをね。御門にも六条にも忍ばせるのは金はかかったけど、あとで手に入る利益を思えば安いものだ」


いやらしい笑みを見せられて、ゾクッとする。豹変した真輔を前に、すみれの困惑が大きくなっていった。


目的はまだわからないが、彼は迷うことなく暴露した。ということは、勝算があるのだろう。すみれの方が分が悪いのは明白だ。


「言っておくけど、テータは他でも保存してるからね。これを壊したり奪ったりしても解決はしないよ」


動揺するすみれに、真輔が足を組んで不敵に笑う。

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