政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「北海道、どうだった?」
「結構暑かったよ。あと、どこに行っても人が多かったな~。観光もしたけど、最後の夜はホテルに早めに帰ってゆっくりしてた。でも、楽しかったし、なによりご飯がおいしすぎたの! もっと北海道グルメを堪能したかったよ」


彼女は、三泊四日の旅程の間に三キロ太ったのだという。「ダイエットしなきゃ」とため息交じりに言いつつも、旅行を満喫した様子が窺えた。


その後も、写真を見せてもらいながら思い出話に耳を傾ける。三十分ほど経った頃、美弥が「そういえば」と切り出した。


「新婚旅行の行き先は決まった?」


明るい笑顔からは、ワクワクしているのが伝わってくる。


「ううん、まだ話し合い中なの。慧さんは忙しいし、候補がたくさんあって絞り切れなくて……」
「そうなんだ。せっかく両想いになれたんだから、早く行けるといいね」


嬉しそうにしている彼女には、すでに慧とのことは報告している。両想いだとわかってすぐに、電話で話したのだ。


そのときの美弥は、泣きながら喜んでくれた。それだけ心配し、応援もしてくれていたのだろう。


だからこそ、美弥にはすみれが幸せの渦中にいるように見えるに違いない。まさか真輔に脅されているなど、想像もしていないはずだ。


いずれにしても、彼女にも相談できない。本当は話を聞いてほしくてたまらないが、そんなことをしたらどうなるかわからないから。

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