政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
すみれは、慧のことは知っていた。
御門の御曹司で、どこにいても一目置かれるような存在。御門は特別だと、誰もがわかっている。
そんな人が自分のことを知っていて、恐らく助け船を出してくれた。そのどちらにも信じられない気持ちになった。
「えっ……?」
「ほら、行きましょう。ご両親のところに案内します」
慧が有無を言わせない笑みを見せ、名前も知らない男性がたじろいだ。
「君は主催者の分家の者だな。こんな風に女性を困らせるのは感心しないが、よほどの理由でも?」
その男性はなにか言いたげだ。しかし、慧が男性に鋭い視線を向けると、グッと言葉を呑み込んだのがわかった。
「い、いや……」
すみれには強気だった男性だが、慧には及び腰だ。驚くほどあっさりと手を離され、すみれは解放された。
「行きましょう」
言うが早いか、慧が肘を差し出してくる。すみれは戸惑ったが、これが彼の善意で、無下にしてはいけないことくらいは理解できた。
おずおずと手を出し、控えめに慧の肘に乗せる。彼がふっと小さく笑い、すみれの手をきちんと乗せ直してから歩き出した。
「あ、あの……」
「いいから。会場には戻りたくないんだろ?」
勇気を出して声をかけると、図星を突かれて目を丸くしてしまう。慧は、そんなすみれをエスコートし、一階にある庭園に連れ出した。
御門の御曹司で、どこにいても一目置かれるような存在。御門は特別だと、誰もがわかっている。
そんな人が自分のことを知っていて、恐らく助け船を出してくれた。そのどちらにも信じられない気持ちになった。
「えっ……?」
「ほら、行きましょう。ご両親のところに案内します」
慧が有無を言わせない笑みを見せ、名前も知らない男性がたじろいだ。
「君は主催者の分家の者だな。こんな風に女性を困らせるのは感心しないが、よほどの理由でも?」
その男性はなにか言いたげだ。しかし、慧が男性に鋭い視線を向けると、グッと言葉を呑み込んだのがわかった。
「い、いや……」
すみれには強気だった男性だが、慧には及び腰だ。驚くほどあっさりと手を離され、すみれは解放された。
「行きましょう」
言うが早いか、慧が肘を差し出してくる。すみれは戸惑ったが、これが彼の善意で、無下にしてはいけないことくらいは理解できた。
おずおずと手を出し、控えめに慧の肘に乗せる。彼がふっと小さく笑い、すみれの手をきちんと乗せ直してから歩き出した。
「あ、あの……」
「いいから。会場には戻りたくないんだろ?」
勇気を出して声をかけると、図星を突かれて目を丸くしてしまう。慧は、そんなすみれをエスコートし、一階にある庭園に連れ出した。