政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「……うん。私、御門さんのことを好きになったんだと思う……」


素直に白状した瞬間、慧の顔やあのときにかけられた言葉が脳裏に過る。


また、彼に会いたい。どこかで会えたら、あの夜のように笑いかけてほしい。


慧の声が聞きたい。話がしたい。
なんでもいいから……ささやかでもいいから、彼との接点が欲しい。


あの日からそんな欲がどんどん芽生えては、すみれの胸の奥を締めつけていった。


この感情がどういうものなのか、なんて……。恋愛経験がないすみれにだってわかってしまった。
これが恋ではないのなら、きっとすみれは一生恋などしないだろう。


「あの日から御門さんのことが気になって仕方ないの。こんなの、初めてで……」
「うん」


優しい相槌につられるように、本音を打ち明けてしまう。


「簡単に会える人じゃないし、好きになっても仕方ないってわかってるのに……どんどん会いたくなるの」


初恋だけれど、無謀な恋だ。
そもそも、慧とは釣り合わない。彼はすみれなど眼中にないだろうし、一夜の相手にもなれないだろう。


すみれはすみれで、いずれは政略結婚させられる身だ。
どれだけ慧を好きになっても、どうすることもできない。天地がひっくり返っても、この想いが叶うことはないのだ。


そんなことは、誰よりもすみれ自身がわかっているのに……。あの夜から動き出した恋情は止まらず、胸に秘めた想いを消せそうになかった。

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