政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
すみれがよく利用するような店とは違い、ディスプレイにはゆとりがある。
服なら一着、靴なら一足ずつ並べられているだけ。あくまで、デザインを確認するために配置されているのだろう。
「このあたりが新作か。冬物と……どうせなら春物も見よう」
慧は話しながら、目の前のオフホワイトのコートを手に取る。隣には、色違いのグレージュと黒のものもあった。
振り向いた彼が、すみれの身体にコートを当ててくる。
「似合うが……これだといつもの雰囲気だな」
慧は、黒のコートを取ってさきほど同じようにする。すみれが落ち着かない気持ちで立っていると、彼が小さく頷いた。
「黒だな。試着はあとでいいか?」
「あっ、はい」
迷いなく言い切った慧に、すみれは慌てて頷く。
程なくして、遠目に様子を見ていたさきほどのスタッフがやってくる。彼は、「あちらのお部屋にご用意しておきますね」と言って、慧からコートを受け取った。
どうやら、慧は判断が速いらしい。きっと、仕事でも同じなのだろう。
その後も、彼に手を引かれながら店内を回り、次々と服や靴を見ていく。
ワンピース、ニットやブラウス、スカート。靴やバッグも選んでいき、半月分のトータルコーディネートができそうなくらいだ。
「慧さん……さすがに多すぎませんか?」
「全部買うとは限らないだろ。すみれが着てみて、着心地が苦手だということもあるかもしれない。靴なら歩きにくいとか、バッグなら持ってみた感覚がしっくりこないとか、身に着けるものは見た目がよければいいという問題じゃないからな」
目にしたものをどんどん選んでいるだけだと思っていたが、そうではないらしい。慧なりに、色々と考えてくれているようだ。
ただ、それにしても多すぎる気がする。すみれの記憶が正しければ、服だけですでに十着は超えているはず。
服なら一着、靴なら一足ずつ並べられているだけ。あくまで、デザインを確認するために配置されているのだろう。
「このあたりが新作か。冬物と……どうせなら春物も見よう」
慧は話しながら、目の前のオフホワイトのコートを手に取る。隣には、色違いのグレージュと黒のものもあった。
振り向いた彼が、すみれの身体にコートを当ててくる。
「似合うが……これだといつもの雰囲気だな」
慧は、黒のコートを取ってさきほど同じようにする。すみれが落ち着かない気持ちで立っていると、彼が小さく頷いた。
「黒だな。試着はあとでいいか?」
「あっ、はい」
迷いなく言い切った慧に、すみれは慌てて頷く。
程なくして、遠目に様子を見ていたさきほどのスタッフがやってくる。彼は、「あちらのお部屋にご用意しておきますね」と言って、慧からコートを受け取った。
どうやら、慧は判断が速いらしい。きっと、仕事でも同じなのだろう。
その後も、彼に手を引かれながら店内を回り、次々と服や靴を見ていく。
ワンピース、ニットやブラウス、スカート。靴やバッグも選んでいき、半月分のトータルコーディネートができそうなくらいだ。
「慧さん……さすがに多すぎませんか?」
「全部買うとは限らないだろ。すみれが着てみて、着心地が苦手だということもあるかもしれない。靴なら歩きにくいとか、バッグなら持ってみた感覚がしっくりこないとか、身に着けるものは見た目がよければいいという問題じゃないからな」
目にしたものをどんどん選んでいるだけだと思っていたが、そうではないらしい。慧なりに、色々と考えてくれているようだ。
ただ、それにしても多すぎる気がする。すみれの記憶が正しければ、服だけですでに十着は超えているはず。