政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
翌週の火曜日、すみれは大急ぎで帰宅した。
食材は日曜日に揃え、昨夜には下拵えもしている。慧が帰宅するまでに、七品作る予定だ。
彼に手料理を振る舞うのは、今夜が初めて。ということもあり、どうしても作り置きは出したくなかった。
今夜のメニューは、肉じゃが。定番だが、日本人なら外さないだろう。
副菜も和風で揃える。きんぴらごぼう、大根の煮物、出汁巻き卵、茶碗蒸し、生ハムサラダ、麩の吸い物を、予定通り作っていった。
今日のために買い足した食器に、丁寧に盛りつけていく。味は料亭のようにはいかないが、せめて見た目は……と思い、伊万里焼の小鉢を並べる。
白米も炊き上がった頃、タイミングよく慧が帰宅した。
「ただいま」
「おかえりなさい! 晩ご飯、ちょうどできたところなんです」
「そうか」
彼が小さく頷き、洗面台の方に行く。手洗いをしていたようで、コートとスーツのジャケットを脱いだ姿で戻ってきた。
「温かいお茶でいいですか?」
「自分で淹れるよ」
「自分の分も淹れますから、慧さんは座っててください」
急須で煎茶を淹れ、グラスには水も用意する。白米と吸い物をよそい、テーブルには彩り豊かな夕食が並んだ。
「……随分と作ったんだな」
「あっ、多かったら残してください」
「そういう意味じゃない。そんなに力まなくていいと言いたかったんだ。なんなら、デリバリーでもよかった」
淡々と話す慧に、すみれは不安になる。もしかして、自分の手料理が嫌だったのではないか……と。
どう答えていいのかわからず、つい黙り込んでしまった。
「ああ、違う……なにか勘違いしてるようだが、たぶんすみれが思ってるような理由で言ったんじゃない」
「えっ?」
「すみれに負担を負わせたくないだけだ。御門と結婚したら、ただでさえ余計な負担が多い。だから、せめて家でくらい無理をしなくていい」
予想に反した言葉に、すみれはきょとんとしてしまう。
まさか、彼にそんな風に気遣われているとは思ってもみなかった。同時に、すみれは自分が誤解しているかもしれない……と気づく。
食材は日曜日に揃え、昨夜には下拵えもしている。慧が帰宅するまでに、七品作る予定だ。
彼に手料理を振る舞うのは、今夜が初めて。ということもあり、どうしても作り置きは出したくなかった。
今夜のメニューは、肉じゃが。定番だが、日本人なら外さないだろう。
副菜も和風で揃える。きんぴらごぼう、大根の煮物、出汁巻き卵、茶碗蒸し、生ハムサラダ、麩の吸い物を、予定通り作っていった。
今日のために買い足した食器に、丁寧に盛りつけていく。味は料亭のようにはいかないが、せめて見た目は……と思い、伊万里焼の小鉢を並べる。
白米も炊き上がった頃、タイミングよく慧が帰宅した。
「ただいま」
「おかえりなさい! 晩ご飯、ちょうどできたところなんです」
「そうか」
彼が小さく頷き、洗面台の方に行く。手洗いをしていたようで、コートとスーツのジャケットを脱いだ姿で戻ってきた。
「温かいお茶でいいですか?」
「自分で淹れるよ」
「自分の分も淹れますから、慧さんは座っててください」
急須で煎茶を淹れ、グラスには水も用意する。白米と吸い物をよそい、テーブルには彩り豊かな夕食が並んだ。
「……随分と作ったんだな」
「あっ、多かったら残してください」
「そういう意味じゃない。そんなに力まなくていいと言いたかったんだ。なんなら、デリバリーでもよかった」
淡々と話す慧に、すみれは不安になる。もしかして、自分の手料理が嫌だったのではないか……と。
どう答えていいのかわからず、つい黙り込んでしまった。
「ああ、違う……なにか勘違いしてるようだが、たぶんすみれが思ってるような理由で言ったんじゃない」
「えっ?」
「すみれに負担を負わせたくないだけだ。御門と結婚したら、ただでさえ余計な負担が多い。だから、せめて家でくらい無理をしなくていい」
予想に反した言葉に、すみれはきょとんとしてしまう。
まさか、彼にそんな風に気遣われているとは思ってもみなかった。同時に、すみれは自分が誤解しているかもしれない……と気づく。