政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
呼吸が上手くできないすみれに、慧は容赦がない。


唇をやんわりと食まれ、ときおり舐められて。またすみれの口腔に戻ってきた彼の舌が、無遠慮に動き回る。
さらには上顎を撫でられ、すみれの舌を捏ねるように搦め取られた。


「ふっ……ッ……!」


キスに翻弄されていたすみれが、不意に肩を大きく跳ねさせる。彼の左手が、オフホワイトのルームウェアの中に入ってきたからだ。


「やっ……」


嫌なわけではないのに、不安と羞恥から首を振ってしまう。
しかし、慧はやめる気がないのだろう。口づけを深くしながら骨ばった手でルームウェアを捲られ、花があしらわれたパステルピンクのブラがあらわになる。


「っ……」


数瞬後、素肌に彼の手が触れる。下腹部を撫でた冷たい手の感覚に、すみれの全身が跳ねた。


お風呂には入ったばかり。結婚してからはいつなにがあってもいいように、どんなに疲れていても身体の手入れは欠かさないようにしてきた。


もっと言うと、お風呂上がりでも可愛い下着を身に着けている。わざわざ就寝前にナイトブラに替えているほどだ。


けれど、心の準備はまだ追いついていなかったのだと気づく。
彼への気持ちは確かで、覚悟も決めていたはずなのに……。初めてのセックスを目前にして、すみれは動揺ばかりが大きくなっていく。


そんな中でも、大きな手が徐々に上がってくる。ひとりで困惑しているうちに、胸をやんわりと揉まれた。


同時に唇が解放され、すみれの唇から吐息が漏れる。様々な感情が膨れ上がり、すみれは彼の視線から逃れるように顔を背けた。


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