政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
そんなすみれを余所に、慧の責めはやまない。


快楽が徐々に大きくなっていく中、彼が双丘に顔を近づけてくる。次の瞬間、舌が這わされ、すみれの唇から甲高い声が飛び出した。


じんじんとして、甘さと苦しさが混じったような感覚に包まれて……。思考はついてこないのに、身体は喜悦を享受する。


「あっ……慧さ……ッ!」


すみれが甘い声を上げるたび、手や舌の動きががどんどん激しくなる。


不安で恥ずかしいのに、気持ちいい。はしたないと思うのに、すみれは自身の身体がこの先を求め始めていることに気づいた。


甘い痺れが、もっと欲しい。なによりも、彼に……好きな人に抱かれたい。


「慧さっ、ッ……あっ、慧さんっ……! けいさ……やっ」


素直な欲望は口に出せないからこそ、慧の名前を何度も口にする。そのたびに、彼の舌はすみれの身体を甘やかすように動いた。


慧がおもむろに手を下げ、ショートパンツのウエスト部分にかける。すみれはビクッと身を強張らせたが、彼は手際よくそれを剥いだ。
動揺するすみれのショーツに節くれだった指が這うと、艶めかしい水音が鳴った。


「濡れてるな」
「っ……」


布越しとはいえ、誰にも触られたことがない。初めての経験と慧の言葉に、すみれの顔が沸騰しそうなほどに熱くなる。


「ごめんなさい……」


すみれは居た堪れなくなって、両手で顔を覆って涙声で呟いた。


「どうして謝る?」
「だって、こんな……」


本気でわからないと言いたげな声音に、すみれはか細い声で答える。しかし、使い物にならない思考では、上手く言語化できなかった。


「……すみれの身体が俺を受け入れられるよう、俺がこうなるようにしてるんだ。むしろ、反応してくれないと困る」


要するに、幻滅していない……ということだろうか。
そんな風に思い至ったとき、「それより」と冷たい声がすみれの鼓膜を揺らした。

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