政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「直接触るから、痛かったちゃんと言って」
「えっ……?」


すみれが慧の言葉を理解するよりも先に、ショーツに手がかけられる。そのまま、流れるように剥がれてしまった。
最後の砦だった布も奪われ、すみれは一糸纏わぬ姿になる。


しかし、慧はまだスーツを着たままだ。互いの格好があまりにも違うことにも、すみれの羞恥が増した。
自分だけがあられもない姿を晒している。その現実を前に、今すぐに隠れてしまいたくなる。


けれど、彼から逃げようとは思わなかった。
じっと見つめられても、慧の言いつけを守るように視線は逸らさない。そうしていると、彼の表情から冷たさが消えていく気がした。


再び、慧の手が下肢に下りていく。太ももを撫で、内ももにそっと触れてから、さきほどと同じ部分に指が辿りついた。


優しく撫でられ、すみれが甘い声を上げる。初めてなのに、たまらないくらい気持ちがいい。


「っ……慧さんっ……!」


縋る場所が欲しくて、咄嗟にシーツを逆手で掴む。彼は、そんなすみれから視線を逸らさずにいた。


「すみれ、素直に感じて」


甘い声で下された命令に、すみれは熱い吐息を漏らす。そんな風に言われたら、もう耐えられない。


「あぁぁっ!」


直後、すみれの身体は頂に突き上げられ、涙を流しながら嬌声を上げた。


程なくして脱力したすみれが言葉を発せずにいると、慧がネクタイを緩めた。
骨ばった手がネクタイを抜き取り、スーツのジャケットも脱ぎ捨てる。シャツのボタンを煩わしそうに外し、彼の上半身があらわになった。


軽く盛り上がった胸元に、綺麗に割れた腹筋。まるで美術品のような体躯に、すみれは無意識のうちに息を呑んでしまう。


ベルトを外す姿からも、目を逸らせない。けれど、慧がスラックスの前を寛げたところで、勢いよく顔を背けてしまった。

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